事務所概要

事務所名
徳千代雅彦税理士事務所
所長名
徳千代 雅彦
所在地
〒267-0066
千葉県千葉市緑区あすみが丘7-26-6
電話番号080-3017-9308
業務内容
  • 相続税の申告業務
  • 贈与の事前対策
  • 事業承継対策
  • 経営計画策定支援
徳千代雅彦税理士事務所は
TKC全国会会員です
TKC全国会
TKC全国会は、租税正義の実現をめざし関与先企業の永続的繁栄に奉仕するわが国最大級の職業会計人集団です。

 千葉県税理士会 

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7. 贈与

7.1 贈与とは

 贈与とは、無償で財産権を移転する契約であり、民法549条において「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。」と規定しています。

 従って、遺贈のように一方的な意思表示のみによって成立するものではなく、当事者間における契約があってはじめて有効になります。         

7.2 贈与税の計算

贈与税は暦年単位課税方式を採用し、1月1日から12月31日までを一つの計算期間とし、この期間に贈与された財産の合計額を基に税額を計算します。

 また、税額の計算も受贈者単位課税方式を採用しているため、贈与者が異なるごとに贈与税を計算するのではなく、財産を受けた受贈者ごとに受けた財産(相続時精算課税に係るものを除く。)を合計して贈与税を計算することとしています。

{(贈与財産-非課税財産)-贈与税の配偶者控除額-贈与税の基礎控除額(110万円)}×税率=贈与税額        

 贈与税の税率は、以下の特例税率と一般税率の2種類の税率があります。     

7.2.1 特例税率(贈与者が直系尊属かつ受贈者が贈与を受けた年の1月1日において20歳以上)  

法定相続分に応ずる取得金額

税率

控除額

200万円以下

10%

400万円以下

15%

10万円

600万円以下

20%

30万円

1,000万円以下

30%

90万円

1,500万円以下

40%

190万円

3,000万円以下

45%

265万円

4,500万円以下

50%

415万円

4,500万円超

55%

640万円

7.2.2 一般税率(上記 特例税率以外の税率)  

法定相続分に応ずる取得金額

税率

控除額

200万円以下

10%

                           -
300万円以下

15%

10万円

400万円以下

20%

25万円

600万円以下

30%

65万円

1,000万円以下

40%

125万円

1,500万円以下

45%

175万円

3,000万円以下

50%

250万円

3,000万円超

55%

400万円

7.3 配偶者への住宅贈与

相続税においては「配偶者の税額軽減」という特例規定がありますが、贈与税の場合においても「贈与税の配偶者控除」という特例があります。これは配偶者への贈与が配偶者の老後の生活保障を意図するものであり、またその財産形成には、配偶者の協力が必要不可欠であることを考慮するからです。

贈与税の配偶者控除の適用を受けるに当たっては、次のような要件があります。

(1)その年においてその者との婚姻期間が20年以上である配偶者からの贈与であること

(2)居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与であること(取得には家屋の増築も含まれます。)

(3)贈与の年の翌年3月15日までに居住の用に供し、かつ、その後引き続き、居住の用に供する見込みであること

これらの要件を満たす場合に限り、この規定は適用が認められます。ただし、この規定は同一の配偶者からは一生に一回だけしか受けることができないことになっています。

贈与税の配偶者控除として控除できる金額は次の計算式によって求めた金額となります。

(1) ①2000万円

(2) ②居住用不動産の価額他+贈与により取得した金銭のうち居住用不動産の取得に充てられた部分の金額

(3) ①と②のうちいずれか少ない金額         

7.4 贈与税の申告

 贈与により財産を取得した者は、その年分の贈与税の課税価格に係る贈与税額(贈与税の配偶者控除の規定の適用を受けないものとして計算した金額)があるとき、又はその財産が相続時精算課税の規定の適用を受けるものであるときは、その年翌年の2月1日から3月15日までに、期限内申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。      

7.5 相続時精算課税制度

「相続時精算課税制度」とは、高齢者の保有する資産を、より早く次世代に円滑に移転させ、住宅需要や消費を促すことにより、経済の活性化を図る観点から設けられた制度です。生前贈与を受けた者は、選択により暦年課税の制度に代えて、贈与税と相続税を通じて納税をすることができるという制度です。

 受贈者(その年1月1日において20歳以上で、贈与をした者の直系卑属である推定相続人又は贈与をした者の孫)が、贈与者(その年の1月1日において60歳以上の者。以下「特定贈与者」という。)から贈与により財産を取得し、申告期限までに税務署長に対して本制度の選択をする旨の届出書(相続時精算課税選択届出書)を贈与税の申告書に添付して、提出した場合に適用を受けることができます。本制度を選択した受贈者は、特定贈与者からの贈与財産と他の者からの贈与財産とを区別して、贈与税額を計算し、合計します。

 本制度を選択した場合の贈与税額の計算については、2,500万円の特別控除額があり、特別控除額を超える部分がある場合には、一律20%の税率により贈与税額を計算します。

 ただし、この2,500万円の控除は、税の猶予であって免税ではありません。贈与された財産と納付済みの税金を相続時に全て持ち戻し、精算する制度です。一度選択すると撤回することは出来ず、以降当該「特定贈与者」からの贈与について暦年課税の年間110万円の基礎控除は2度と受けられなくなること、に特に注意する必要があります。